2023年

2023年度大田区実行委員会表彰式及び作品

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「おおた未来づくりと共通する視点」

区内在住の直木賞作家安部龍太郎様からのお声掛けをいただき「第1回おおた地球さんご賞」作文・エッセイコンクールを開催することができました。
大田区では、小学生110作品、中学生364作品のご応募をいただきました。小学生は、身近な自然環境である多摩川や洗足池、舌川などのことを作文の中で表現し、その地域の環境保全について自分の意見を書いてくれています。
中学生は、身近な環境から地球環境まで見据えた、これからの自らの行動について述べられており、感動いたしました。
〜大田区教育長 小黒 仁志〜

表彰作品
表彰式動画


第一回おおた地球さんご賞表彰式動画

 

第一回おおた地球さんご賞表彰式①

第一回おおた地球さんご賞表彰式②

第一回おおた地球さんご賞表彰式③

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受賞作品

※受賞者名をクリックするとその作文に移動します。

大田区長賞【小学生の部】

氏名 作品名 所属
末岡 寛都 ぼくと呑川 文教大付属小3年

大田区長賞【中学生の部】

氏名 作品名 所属
丸山 泰生 発展と環境と私 大森第六中2年

教育長賞【小学生の部】

氏名 作品名 所属
大野 百花 自然や海を守るということ 清水窪小4年

教育長賞【中学生の部】

氏名 作品名 所属
栁葉 千早紀 私が見た浜辺 雪谷中2年

おおた地球さんご賞大賞

氏名 作品名 所属
桶谷 樹志 未来からの手紙 嶺町小4年

おおた地球さんご賞準大賞

氏名 作品名 所属
松浦 理桜 惑星大会議 大森第六中3年
藤牧 宗佑 壊しているのは『未来』 大森第六中3年

公益財団法人伊東奨学会賞

氏名 作品名 所属
圡岐 祐世 みんなの多摩川を大切にしよう 南六郷小4年

公益財団法人大田区文化振興協会賞

氏名 作品名 所属
吉田 孝太 水生昆虫という宝物 大森第六中3年

荏原製作所賞

氏名 作品名 所属
朝日 奏多 自分以外の全てのために 志茂田中1年

奨励賞【小学生の部】

氏名 作品名 所属
中尾 菫 美しい海を取りもどす責任 馬込小6年
原 杏奈 プラスチックから海を守る 清水窪小4年
柳井 美紘 多摩川を守るためにできること 南六郷小4年
髙橋 薫名 多摩川をいっしょにきれいにしよう 南六郷小4年
米本 凱飛 身近な自然を守りたい 文教大学付属小3年
山本 優維 ゴミがあふれる海 昭和女子大学附属昭和小5年

奨励賞【中学生の部】

氏名 作品名 所属
大村 瑞奈 さんご 雪谷中2年
村上 遼真 大田区と地球環境 大森第十中2年
中山 柚乃 本当は身近な水不足問題 大森第十中2年
島 一斗 変わる空気 大森第六中3年
浅島 花香 地球を守るはじめの一歩 大森第六中3年
檜作 優斗 僕にとっての当たり前。君にとっての当たり前? 大森第六中3年
福島 一穂 光る海 大森第六中3年
後藤 結衣 小さな意識の積み重ね 大森第六中3年
A.F(ペンネーム) ひとりぼっち 大森第六中3年
小山 貴子 大森第六中2年
三浦 悠太 洗足池の未来 大森第六中2年
遠藤 彩加 海を守るために 大森第六中2年
川田 あさひ 白いサンゴと地球温暖化 大森第六中2年
山本 楓 海に捨てられたゴミ 大森第六中2年

大田区長賞【小学生の部】

「ぼくと呑川」

文教大学付属小学校3年生 末岡 寛都

書作品:金澤翔子

  いつもバスや電車から見る多摩川は、広くて青い大きな川です。川に夕日が当たると、とてもきれいで、ぼくは川がすきです。
ぼくは、毎日学校に行く時、呑川のそばを通ります。でも呑川は、少しよごれていて、いやなにおいがする時があります。だから、そばを通る時は、少し小走りで通ることが
多いです。そんな呑川にも生き物がすんでいることを
ぼくは知っています。
ぼくは、二年生の時におおたの生き物はっけん隊の活動で、六郷用水のさんさくをしました。六郷用水には、カメやカモ、コイ、アメンボ、きれいな川にすんでいるといわれる
カワニナも見ました。六郷用水の水は、とう明できれいだったので、すむ生き物たちは、気持ちよさそうだなと思いました。少しよごれている
呑川でも、カメやカモ、シラサギなどを見かけます。
ぼくは、呑川にすんでいる生き物たちのことで心配なことがあります。それは、呑川にすんでいる生き物たちがまちがえてゴミを食べてしまうのではないかということです。夏休みに
読んだ本の中で、クジラやカメがクラゲとまちがえてビニールぶくろやペットボトルのゴミを食べてしまったり、小さなプラスチックのゴミが川や海のかんきょうに悪いえいきょうをあたえてしまったりすることを知りました。ぼくは、いつも通る呑川をきれいにするためには、どのようにすればよいのか考えてみました。
まず、ゴミを川や海にすてると生き物にどのようなえいきょうが出るのか大人だけではなく、子どもも知ることが大切だと思います。なぜなら、かんきょう問題は、今の人だけでなく、未来の人々にもえいきょうする大事なことだからです。絵本や図かんでプラスチックゴミのえいきょうをしょうかいしたり、ゴミをすてないように注意するポスターを作ってみるのもよいと思います。また、呑川の近くにすんでいる人たちできょう力してゴミひろいをすると少しずつきれいになると思っています。毎日呑川のそばを通っているぼくもそんな活動があればぜひさんかしたいです。学校のそうじの時間のようにみんなできょう力してゴミひろいをすれば、川や海のかんきょう問題が身近な問題に感じることができると思います。
ぼくの通っている小学校では、四年生になるとこまっている人を助けたり、かんきょう問題をかい決する活動にさんかしたりすることができます。ぼくは、四年生になったら、川や海のかんきょう問題について、考えてみたいです。身近な川や海のかんきょう問題を考え、行動することは、きっとこれからの地球について考えるきっかけになると思います。

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大田区長賞【中学生の部】

「発展と環境と私」

大田区立大森第六中学校2年生 丸山 泰生

書作品:金澤翔子

  私は自然科学部という部活動に所属しており、その部活動では興味のある科学のことなどの研究や、洗足池にホタルを復活させ自生させることを目的とした活動を主に行っている。この中学校では最もSDGsや環境問題に触れている部活動だろう。洗足池で活動をした帰り、友達と歩いていると一人のおばあさんに出会った。そのおばあさんは僕達の活動をほめ、可能ならば街の人たちが参加できるホタルの放流式に参加したいと語った。その人は自分がまだ小さかった頃の話をしてくれた。昔の洗足池では、多くのホタルが飛び交っていたそうだ。年配の方だったので、かなり昔の話だと思う。ホタルは環境指標生物と言い、水、土、空気が全てきれいでないと生息できない生物だ。私達自然科学部は水質の管理や水中の微生物の研究やデータ収集などを行っている。現状、自生はできていない状況だ。しかし、昔はホタルは自力で生活することができていた。現在までの間に、何があったのか。
大田区の歴史を知る人から聞くと、洗足池周辺はもともと本当に何もない場所だった。その時と比べると、現在の洗足池は人通りも多く、大きい道路もできて交通量が多くなっている。そのため、大気が汚れていることは確かだ。自然科学部の部員が周辺の大気を調べると、汚れていることがわかったらしい。また、水質面でも、現在は大丈夫だが過去にアオコになるなど問題も発生したことがあったらしい。私達に話をしてくれたおばあさんが小さい頃は、おそらく戦後間もない頃だと考えられる。戦後は高度経済成長期で新たなものがたくさん作られ、今のように環境のことを考える余裕などなかったのだと考えられる。当時の経済成長があったからこそ今の日本国民の裕福な生活があるとも考えられるため、当時の人たちが悪かったと言うことはできないが、 国の発展と環境問題の関わりというものは、これから考えていかなければいけないことだと思う。世界中の国の約7割は発展途上国だと聞く。それらの国は、これから少しずつでも発展していこうと努力するだろう。それはとても良いことで必要だと思うし、当人たちにとってもいち早く発展していかなければ困るだろう。しかし、発展のためには資源を獲得する必要がある。そのためにはそれなりに環境が破壊されるだろう。私たちにとってはなるべく環境を守るよう活動してほしいが、私達はその意見をおしつけることはできない。私達が住む先進国も、昔そうしてきたからだ。また、先進国含め数多くの国が発展途上国の資源に支えられている。この問題は、明確な答えがないということが難題だ。
もしも解決策が見つかっても、すぐに実行し解決はできないだろう。それでも、私達一人ひとりが意識し、池のホタルを復活させるという小さな目標でも、環境保全を心がけそのための行動をすることはとても意味のあることだと思う

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教育長賞【小学生の部】

「自然や海を守るということ」

大田区立清水窪小学校4年生 大野 百花

書作品:金澤翔子

   私は、自然が大好きです。植物に囲まれていると、とてもいごこちがよくて気持ちがよくなります。だから、私は、たまに目黒駅の近くにある自然教育園に行っています。そこは、とてもきれいなところで、私は大好きです。
ですが、その園に、少しごみが落ちていました。それも、植物の近くにごみが落ちていて、周りには虫もいっぱいいました。その虫たちがごみを食べるかもしれないと思ったら、「落ちているゴミに対して、私たちに何かできないか。」と考えることが必要だと思いました。
たとえば、ごみ拾いのボランティア活動をしてみてもいいかもしれません。地域で行われるボランティア活動に参加することもいいことだと思います。でも、仕事などで参加するよゆうがない人もいると思います。だから大切なことは、「日ごろからごみをひろう」ことに取り組むことだと思います。
このことは、海でも同じだと思います。なぜなら、夏は、観光客などが多く、たくさんの人がごみを落としていくからです。それを「私はやっていない。」と思い、知らないふりをしている人も、海をよごす原因をつくっていると思います。
実際に、プラスチックごみが多く海に捨てられ、それが原因で、海の生き物がどんどんへっています。それをふせぐことができるのは、人間の日ごろの努力です。海を守るために、私もボランティア活動をやってみようと思う人が、一人でも多くふえていくといいと思います。
私は、海でボランティア活動をしている人を見かけたことがあります。砂浜の砂の中にごみがたくさんあり、手作業でごみを集めていて、とても大変そうでした。大変だからこそ、みんなが協力して行うことが大事だと思います。
私自身も、ごみ問題に少しでも関わりたいと、3Rを心がけています。3Rとは、リデュース(ごみをへらす)、リユース(くり返し使う)、リサイクル(しげんの再利用)の3つです。最近は、3Rともう一つのR、リフューズ(ごみになる不要な物を買わない)というものも心がけています。マイバックやマイボトルをもつことも、これに関わります。このようなことを心がけるだけで、動物や植物、色々な物や人が助かります。
みなさんもぜひ、自然や海を守るために、自分ができることをやってみてください。一人一人が実行することで、世界は救われます。私も頑張りたいと思います。

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教育長賞【中学生の部】

「私が見た浜辺」

大田区立雪谷中学校2年生 栁葉 千早紀

書作品:金澤翔子

  四年前のことだろうか。リモコンでチャンネルを切り替えていると、気になる番組があった。そこには、綺麗な海の魚が映し出されていた。ちょうどその頃、私は水族館によく行っており、魚に関心をもっていた。興味にそそられ、チャンネルを切り替えていた手を止める。しばらく見ているとあることに気がついた。海の「魚」ではなく、海の「ゴミ」がテーマだということに。
内容は、海に流れるプラスチックゴミが及ぼす生態系への悪影響について。魚などがマイクロプラスチックを誤飲したり、ゴミ袋に入って出られなくなってしまったりするというのだ。
「ウミガメの約五二パーセントがプラスチックを誤飲し――」
私は見るほど心が苦しくなった。多くの海の生き物が知らないところで死んでしまっていること、さらには、その原因となるプラスチックゴミを出しているのが私達人間であるということを知り、情けなく残念でしかたがなかった。
そこで、私は海の生き物のためになにかしたいと思い、浜辺のゴミ拾いをするボランティアに参加することにした。
夏の茅ケ崎の海はとても綺麗だった。ゴミが流れているような海には見えなかった。本当にゴミなどあるのか。そんなことを思いながら裸足で砂浜を歩いていると、足にチクッとした感覚がした。下を見てみると、今自分が見ている光景と、テレビ越しで見た光景が一致した。たくさんのマイクロプラスチックゴミが落ちていたのだ。それは、拾っても拾っても、拾えきれないほどの数だった。さらに、海岸の端から端まで歩いていると、今まで目に入らなかったようなゴミがたくさんあった。とても長いゴム管やタイヤ、外国から流れてきたであろう瓶。こんなものまであるのかと思うほど、様々なものが捨てられていた。先程まで綺麗に見えていた海も、なぜか少し悲しそうに見えた。
三時間ほどでボランティア活動は終わった。しかし、与えられた三時間という時間はとても短いものだった。もっと拾っていたかったくらいだ。いくらゴミを拾ってもなくならない浜辺の光景を、今でも覚えている。
その頃から、私はできる限りプラスチックゴミを減らすような生活を心がけている。その結果、昔に比べてゴミ箱が大きく感じられるようになった。しかし、この四年間で「海洋ゴミ」という言葉をテレビで何度も聞いた。その度に私は思う。みんなで動かなくてはいけないのだということを。「誰かがやってくれるから」という考えで本当にいいのか。自分の行動は自分の意志で決まる。個々の想いがいくつもの命につながるのだ。
そんなことを思いながら、私は海の中のたくさんの命が輝くことを願っている。

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おおた地球さんご賞大賞

「未来からの手紙」

大田区立嶺町小学校4年生 桶谷 樹志

書作品:金澤翔子

  時は二千五十年。地獄のような日々が続いていた。木は切りたおされ、鳥のさえずりも、もう聞こえない。毎日のように気温は四十度を超えていた。そんな中、一人の少年が一通の手紙をかいた。その手紙は少年の想いをのせ、時空をさかのぼり、過去へと向かっていた。
時は変わって、二千二十三年。
ここにも、また一人の少年がいた。名を、たつしという。ぼくは、ニュースから思わず、目をそらした。環境問題について、取り上げていたからだ。ぼくは、悪いニュースがきらいだ。自分まで、いやな気持ちになる。
「自分には、関係ない。」
そう、思う内に、ぼくは、環境問題を軽視するようになっていった。
そんなある日ぼくに、一通の手紙がとどいた。
「拝啓、ご先祖様」
その手紙に、いっしゅん目をうたがった。だが、その目には、しっかりと写っていた。未来からの手紙が。その手紙にはおそろしい未来が記されていた。その日から、ぼくの生活は変わっていった。まずは小さな事から始めた。しっかりと環境問題に向き合い、ゴミをひろった。いつもでは気づかないゴミまでひろった。だんだんとそのきぼはひろくなっていった。ボランティアにまで参加するほどだ。
昔の自分とはちがったよろこびを感じることは、とてもたっせいかんがあった。
ある日、海へ出かけた。その海は、まるでゴミの海だった。なのにだれも気にかけてはいないようすだ。ぼくは何を考えるひまもなくゴミを拾い始めていた。気ずくと、もう夕方になっていた。 だが、まだ、いっこうに終わらない。
ぼくは、かんばんを立てた。「ゴミ禁止」と書いて。
次の日、海に来てみれば、とたんにむねがいたんだ。ゴミはへるどころかさらにふえている。ぼくは、もう、泣きだしそうになった。その時、かたにぬくもりを感じた。ふりむくと、そこには、きぼうのそのもののように、かつて、ボランティアをした仲間がいた。
「いっしょにやろう」
その言葉にぼくはどんな顔をしていただろうか。
泣いていたか、笑っていたか、それがいま分かった。
「どっちもだ。」
それぞれゴミを拾ろい、声をかけあった。またたくまに、時間がすぎた。
いつしかその海は、ゴミがないことで、ひとやく、有明になっていた。
次の日、ぼくは、ひさしぶりに手紙を見た。すると、手紙の内容はかわり、すばらしい、未来の写真があった。心から、うれしかった。

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おおた地球さんご賞準大賞

「惑星大会議」

大田区立大森第六中学校3年生 松浦 理桜

書作品:金澤翔子

  「今回の議題は、地球に住む人間の環境の扱い方についてだ。」
赤い炎を身にまとう星、太陽が言う。周りには地球を含む八つの惑星が円になり向かい合っている。水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、そして太陽だ。そう、これは星々が年に一度集う大会議である。
「人間にも呆れたものだ。そう思わないか。」
太陽が星々に問いかけると、
「全くその通りだ。」
と賛同する星々が頷く。一方で、
「人間は誕生して一億年も経っていない。仕方がないだろう。」
と、言う星々も。その中、黙っていた地球が口を開いた。
「その…地球に住んでいる人間の中には良い人たちも多いです。全てが悪いというわけでは…。」
その言葉を聞いた太陽に賛同した星々が口々に
「地球は人間に優しすぎる。」
「我慢することない。」
等と声をかけた。一方で、太陽に反対していた星々は地球の言葉に
「地球の言う通り、害の無い人間だっている。彼らと協力すればきっと環境を良くできる。」
と言う。しかし、太陽は
「できなかったらどうする。そもそも手助けとは何だ。」
と、認めようしない。
「例えばですが、私や天王星は海や空の環境、土星や木星は土や木々の環境を良くし、人間たちを手伝うのはいかがでしょう。」
深い青の美しい色の星、海王星がおっとりとした口ぶりで述べる。海王星が述べた提案には、太陽も少し頭を悩ませた。だが、
「やはりそれでも確証がないだろう。人間が環境に向き合うようになるという確証がな。」
と太陽に賛同していた星々が言うもので、太陽もその言葉に納得してしてしまった。
その後も議論は白熱し、長時間に渡って会議が行われた。両方、お互いの意見を受け入れようとはせず、最終的には太陽の決定に従うこととなった。
「では、丁度百年後の今日に人間への警告として損石を落とすこととする。」
太陽が宣言し、大会議は終わりを迎えた。
さて、この決定を覆すには私たち人間が変化していかなければいけない。地球を壊すのか、それとも守るのか。その判断は今、私たちに委ねられた。

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おおた地球さんご賞準大賞

「壊しているのは『未来』」

大田区立大森第六中学校3年生 藤牧 宗佑

書作品:金澤翔子

  新型コロナウイルスによるロックダウンが解除された頃、ようやく旅行が可能になったので、私は家族で沼津の深海水族館に行ったのを覚えている。深海水族館というだけあって、海底に生きる見たことのないような魚や生き物が沢山展示されていた。水深の浅い場所に住む色とりどりの魚の展示から、海底に住むタカアシガニ、更に深い場所に住むダイオウグソクムシの展示を弟と長い間見続けた。また、弟がクラゲの展示の前からなかなか離れず、次に進みたい私はやきもきした。この時、地球の生き物の多様性とそれぞれが生きる環境による特徴の違いに強い興味をもった。
しかし、一番驚いたのは、二階にあった古代の海に関する展示の補足説明だった。地球上の生き物は、四億四千四百万年前のオルドビス紀末、三億七千四百万年前のデボン紀末、二億五千百万年前のペルム紀末、一億九千九百六十万年前三畳紀末、六千五百五十万年前の白亜紀末に隕石の衝突などで何度も壊滅的な被害を受けているのだ。ペルム紀に発生した世界的な火山噴火の際は、海洋生物の約九十六パーセント、地球上の全生物種の九十パーセントを壊滅させたと書かれていた。その当時の地球の地上には高さ四十メートルにも到達するシダ類が覆い茂り、様々な種類の昆虫、両生類、爬虫類が生育していたが、そのほとんどが失われたのだ。
私は今まで地球環境に関して考える時間があった時、私達人間が自分たちの破壊から地球を守るというイメージで一杯だった。しかしその展示を見て、地球は五回の生物大絶滅を乗り越えて、青い海と美しい川、多様な生き物が暮らす環境を回復しているということを知った。私達人間は地球により生かされ、美しい自然の恵みを受けて生きている立場にしかすぎないのだ。人間がどんなに地球の環境を破壊しても、きっと地球はまた新しい環境を作り上げていくのだろう。私達が壊しているのは、結局は私達の未来なのだ。
私達は今、海洋汚染や森林伐採、戦争により、地球環境をものすごい勢いで壊している。これ以上破壊を続ければ地球の環境が壊れてしまうことに気づきながらも、破壊をやめられずにいる。温暖化が進んでいるのにエネルギーの使い方は改善出来ていないし、自然の山々や、森を更に削っては新しいものを作りたがったりする。いつか私達は、隕石も噴火も無かったのに自分達の力で大絶滅してしまった生き物として、未来の生物に記憶されるのだろうか。それは絶対に避けたい。
私の親世代では、地球の破壊は止めることは出来なさそうだが、私が大人になる頃には、地球環境を破壊しないでも生きていける技術や生き方を自分達で生み出せるように、私達が行動していきたい。

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公益財団法人伊東奨学会賞

「みんなの多摩川を大切にしよう」

大田区立南六郷小学校4年生 圡岐 祐世

書作品:金澤翔子

  ぼくは、学校の近くにある多摩川に初めて行きました。川には一メートル数十センチくらいのテトラポットがありますが、そこを子どもが飛びはねていどうして遊ぶときけんだと思いました。このテトラポットは、こう水の水をふせぐためにあるそうなのですが、立ち入り禁止のようなかん板を立てておかないと、きけんだと思います。川はにごっているので、魚はぜんぜん見えません。死がいならたまに見るのですが、本当にそこで生きているかは分かりません。川にはペットボトルやビールのかんなどのごみが落ちているし、魚が引っかかることを考えると心配です。川がくさいのは、人がすてたごみやそこに引っかかって死んだ生き物がいるからだと分かりました。
多摩川は色々な理由でくさくなっているけれども、それは人ががんばればどうにかできると思います。川をもっときれいにすれば、魚もふえてたくさんの人が楽しめるような川になると思います。ぼくは、多摩川にあるごみをなるべくかたづけていきたいと思います。
多摩川にはどのような魚が生きているのかを調べるために、魚をつかまえることにしました。みんなでわなを数十個作って多摩川に置いたのですが、魚は一ぴきしかつかまりませんでした。話を聞くとわなを作るための形をくふうすればつかまえられることが分かりました。つかまえられなかったけれども、川にはちゃんと魚がいることが分かって良かったです。
多摩川の水には、色々な物がまざっているそうです。薬の入ったきたない水や生活で使い終わった水などがまざっているなんておかしいと思います。けれども、多摩川はきたないわけではありません。じっさいに川に行ってみると、そこには植物がたくさんあり、ぼくのそうぞうとはちがいました。ヨシという植物やヨモギが生えていました。ヨシは水をきれいにするだけでなく、魚が生きるのを助けています。ヨシにはノリがついていて、小魚はそれを食べているそうです。また、ヨモギを取っているおばあさんにも会いました。おばあさんは、ヨモギを使ってヨモギモチを作ると言っていました。ぼくは、こんな身近な所でヨモギモチの材料がとれるなんてすごいなと思いました。これからも、こんなすてきな多摩川の自然が続くといいなと思います。
多摩川の自然を守るために大切なことは、ごみをすてないことだけではありません。川には外来種という他の国から来て、まわりのえいようをじぶんだけがとって自然の生たいけいをくずしてしまうものがいます。外来種の植物であれば根っこから引っこぬいてもいいのです。外来種を少しぬくだけで、そのあたりの生たいけいは守られるので、ぬくことも大切です。多摩川にいる生き物はおたがいに助け合って生きてきていると思います。これからも多摩川のことを学習すれば、人の手で多摩川はきれいになれると思います。

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公益財団法人大田区文化振興協会賞

「水生昆虫という宝物」

大田区立大森第六中学校3年生 吉田 孝太

書作品:金澤翔子

  「水生昆虫を守りたい。」「水生昆虫が身近にいて欲しい。」「水生昆虫を知ってほしい。」これが私の願いだ。
私は、多摩川河川敷のすぐそばに住んでいて、小さい頃からいろいろな昆虫にふれてきた。まず興味を持ったのは、陸性のもの。セミから始まり、カブトムシ、クワガタムシ、バッタ、カンタン、カマキリ、コオロギ、トンボ、キリギリス、コガネムシ等々、名前を挙げればきりがないほどの数だ。そんな中、幼稚園の時のことだ。河川敷の水たまりで、とっても汚いのに、小さいながらも必死に生きている、変な生き物を見つけた。それを、ずっとずっと飼ってみたいなと思っていた。何者かわかったのは、図鑑を自分で調べられるようになった、小学生になってからのことだ。これが、私の水生昆虫との出会いである。水たまりにいた変な生き物は、ハイイロゲンゴロウというゲンゴロウの仲間の幼虫であった。母には、気持ち悪いと飼うことを拒まれたが、私にはとてもかっこよく見えた。
この出会いが、今でも、私を水生昆虫の虜にさせている。しかし、ゲンゴロウ、タガメ、タイコウチ、ミズカマキリ、コオイムシといった水生昆虫たちは、田んぼやきれいな川や池に生息するため、田んぼは減りさらに農薬がまかれ、川や池は汚される等の理由で、住みかを奪われてしまった。水生昆虫は、絶滅危惧種は当たり前という風になり、今や珍しい昆虫となってしまっているのだ。
でも全くいなくなってしまった訳でもない。ゲンゴロウ類でいえば、東京にもまだ、ハイイロゲンゴロウをはじめ、チビゲンゴロウ、ヒメゲンゴロウ、コシマゲンゴロウといった種類が見られる。しかし、コシマゲンゴロウは、かなり限られた所にしか見られない。私は、中学生になってから、コシマゲンゴロウの新産地を探し歩いてきた。守りたいし、彼らの住みかを増やし、住みやすくしてあげたいからだ。
水たまりを覗いて見てください。人間が奪った自然環境のせいで、小さな水生昆虫が、水たまりで必死に生きようとしている姿に出会えるかもしれません。そっと覗いて見てください。守ってあげてください、小さな宝物を。

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公益財団法人大田区文化振興協会賞

「自分以外の全てのために」

志茂田中学校1年生 朝日 奏多

書作品:金澤翔子

  私は海洋汚染について考えた。その主な原因として、特に重要視されているのはマイクロプラスチックだ。最近はその対策として、プラスチックをできる限り使用しないようにしていこうとしているが、私はそれだけに頼ることには反対だ。確かに完全に使用しないようにできるならば解決すると思う。しかし、プラスチックは利便性が高く、優れた素材であり、代替することが難しく、たとえ生分解性プラスチックと呼ばれるものであっても現状では、十分に分解されていないとされている。だから、全てを回収し、再利用することが大切であるので、ポイ捨てをなくすことが必要だと考える。そして、ポイ捨てをなくすためにはポイ捨てをなくすことの大切さを伝えていくことが重要になる。
私は海に行って遊ぼうとしたときに砂浜にあるごみをていねいに掃除するボランティアの人たちを見たことがある。そのときにあのような人たちが海を守ってきたのだろうと感謝したい気持ちになった。その後、遊び終わってもその人たちは掃除を続けていて、多くの汗をかきながらもかごの中に大量のごみを集めていた。どうして、そこまで海を守ろうとできるのかと思っていたときにボランティアの人にこの海についてどう思うか聞かれた。思ったとおりにきれいだと伝えるとほほえんで、少しでもそう思ってくれる人がいればそれだけで幸せだと言ってくれた。その人とはその後も少し話して、帰ろうと少し進んだところで今までに見たことがないものを見た。それはごみが多く詰まった袋が何十枚も重ねられている光景である。このことから、ごみを簡単に捨てられる人が多くいること、また一方で、この現状を問題視してきれいな海を保っていこうとする人がいることが改めて理解できた。そして、私は後者のような他人のため、海のため、そこにいる生き物のために行動し、問題が起こってしまったなら積極的に解決できるような人になりたいとボランティアの人たちを見て思った。
このようにプラスチックの使用を少なくする方法以外にも海をきれいにしていこうとする人達を増やしていくなどの方法が考えられる。ボランティアの人たちの活動を通して、自分の知人やそれ以外の人たちにも海をきれいにすることの大切さ、現状の海について声掛けをして手伝ってもらえるように熱意を持ってお願いしたい。そうすることで、今の地球環境を少しでもより良いものにできるように自分が地球の生き物の一員だという自覚を持って、解決に近づいていきたい。

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